スキビ二次小説ブログ「唐紅」でいただいたコメントのお返事、更新情報、管理人の近況などを書いています。尚、お名前の敬称についてですが「さん」で統一させていただいています。管理人に対しても気軽に呼んでやってくださいv
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2010/05/10 (Mon)
1.心情編
まさか、ここまで思い知らされるとはね。
蓮は家へと向かう車の中で、一人皮肉な笑みを浮かべた。思い起こされるのは昨日の出来事。彼の心を揺らす唯一の少女……その親友の一言が皮切りだった。
琴南奏江と蓮とは、それまで会話どころか挨拶すらまともに交わしたことがなかった。接点があるとするなら、それは二人にとってかけがえのない存在が同じ少女だと言うことだけ。
蓮は琴南奏江と直接面識がなくても、キョーコから彼女の話は何度となく聞いていたし、それは奏江にしても同様だったのだろう。
初めて顔を会わせたのはクリスマスの感謝パーティであり、その時でさえ互いに見えていたのはキョーコだけだった。キョーコを巡って贈り物対決……それは蓮が特に意図したものではなく、奏江の親友に対する拘りを示す一方的なものであったのだが。
もしかしたらその頃から気づかれていたのかもしれないな、と蓮はふっと口角を上げる。
少なくとも昨日の時点で彼女は俺の気持ちを知っていた。だからこそ伝えにきたのだ……最上さんを止めろと。
自分を捨てた男に嘘とは言え告白をする。
その行為が後で冷静になった時に最上さんを傷つけはしないかと杞憂して。ついでに俺の本心を確かめて、果ては俺の不条理な嫉妬を被らないようにと最上さんの身の安全まで計算していたのかもしれない。
実際は不破に出会うこともなく最悪の事態は免れたのだが、もしそれが本当に実行されて後からその事実を知る事になったなら、俺は……自分が何をしでかすか分からない。その可能性があると知らされた時でさえ、血が逆流するかのような激情を覚えたのだから。
蓮のハンドルを持つ手に力が入る。車窓を流れる見慣れた街並みは、帰宅まであと30分はかかることを伝えていてた。その時間が今の蓮には有難いと思う。
キョーコが蓮を恋愛対象として見ていない事など、彼は嫌と言うほど理解していた。深い敬愛の情と、大きすぎる尊敬の念。それ以上でも以下でもない、キョーコの蓮に対する想い。
知っているからこそ、蓮はいつも過剰に期待することを諦めていたのだ。
だが、それにしても……と蓮は苛立つ気持ちそのままに、眉を顰める。
告白をする相手として宿敵である不破や、年下の飛鷹でさえ候補として挙がったのに。
『命知らずな事をしてよく無事で……っ』
『笑顔で脅されたりしなかった?』
『大魔王も夜の帝王も光臨しなかった?』
蓮に告白したと言う親友に対し、キョーコはその身の心配ばかりをしていた。
嫉妬して欲しい……などとは流石に蓮も思ってはいなかった。
しかしキョーコにとって自分が真っ先に除外すべき対象であったという事実は、蓮を充分過ぎるほどに打ちのめした。
嘘でも冗談でも……本気でも……俺に告白をしようなどとは思いもしなかったのか、と悟った瞬間、蓮の中で何かが切れた。
キョーコの手を取り、伝えた言葉は誤解される必要もないほどストレートな言葉だった。彼にとって彼女が「女性」である事を知らせるために、恋愛に関連する事には全て自分を直結して考えてもらえるように。
YESかNOか。どちらに転んでも彼女を捕まえられるように、わざと答えを次の日に持ち越させて。
ちらりとも自分を思い起こしてはくれなかった憎らしくも愛しい少女に、自分で頭の中をいっぱいにして欲しくて、自分の事だけを考えて欲しくて。
……そんな子供じみた欲求を、止める気すらなかった。
紳士で優しい「敦賀蓮」なら、そんな風に相手を追い詰めるようなやり方はしないだろう。告白するにしてももっとスマートに、彼女が理想とするようなシチュエーションを考えて愛の言葉を紡ぐに違いない。
だが……そんな仮定をしたところで意味はない。
キョーコの前では日本に来てからの数年間で作り上げた「敦賀蓮」像など、最初から崩壊していたのだから。
2.昼食編
「敦賀くぅん、一緒にお弁当食べましょうよ」
食事を共にと誘う主演女優に、蓮はすぐに返事をする事ができなかった。気乗りはしないものの特に断る理由もなく……次の瞬間には当たり障りなく同意しようとした蓮を社が呼び止める。
「蓮!悪いんだが早めに打ち合わせておきたい事があるんだ。控え室で食事をしながら方向性を決めたいんだが……ああ、もしかして蓮にお誘いいただいてましたか?」
社の後の言葉は、昼食の時まで仕事なの?と不満そうに眉を顰める相手役に向けられたものだ。
「すみません、次は必ずご一緒しますので」
蓮に済まなそうに小首を傾げて微笑みかけられては、少しでも蓮に近づきたいと狙っている女優としては不満を隠して「いいのよ」と答えるしかなかった。
「社さん……?」
控え室のドアを閉めると同時に、蓮が低い声で彼のマネージャーの名を呼ぶ。
昼食をしながら相談しなければならないような緊急を要する仕事など、蓮には覚えがなく、唯一心当たりがあるとするならば、それは仕事などではなく限りなくプライベートな事由だった。
自分で遊ぶつもりで控え室に来させたのなら、さっさと部屋を出てしまおうと、蓮は剣呑な眼差しで社を見た。そんな蓮の様子に気付かないのか、社はロケ弁を二つテーブルに置くとソファーに深く腰掛けた。
「……あのな、蓮」
「はい」
「お前も人の子だったんだなぁ……」
「はぁっ?」
突拍子もない言葉に、蓮は構えていた力がスコンと抜ける。
「いきなり何を言い出すんですか」
「いや、お前でも緊張する事があるんだなと思ってさ」
「緊張ですか?今回のドラマは何度か収録をしていて既に慣れた現場ですし、特に変わった事はなかったと思いますが」
「うん、仕事の時にはうまく抑えてるとは思うよ。さすがプロだと言いたいけどな」
でも俺だって伊達にお前のマネージャーをやってきたわけではないんだぞ、と社がキンと蓮を睨みつけた。
「お前の周囲の空気がピリついている。苛ついていると言うよりは、敏感になっていると言った方が正しいんだろうな」
「え…っ…」
「勿論、他の人は全く気づいていないだろうけどね。ただ、お前としては楽しくお食事と言う気分でもないだろうと思って、俺の独断で断るように仕向けたんだが……必要なかったか?」
「……いえ…助かりました。ありがとうございます」
社の言葉に、蓮は素直に頭を下げた。
本音を言うならば仕事中はともかく、休憩時間にまで下心丸見えでしなだれかかる女優の相手をするのは少しばかり負担だった。
今、彼の頭を占めるのはただ一人の少女の事。
同じ女性でありながら、こうも違うものかと比べて嫌悪を抱く可能性は高かった。いや、比べるという事すら彼女への冒涜とも言える。
それだけ彼にとって神聖であり、大切な存在を手に入れられるかどうか、全てが今日にかかっているのだ。普段は気にもせず軽く流すことさえ、知らず知らずの内に反応していたのだろう。
「本当にお前はキョーコちゃんが絡むと人間らしくなるなぁ」
「人間らしくって、どういう意味ですか」
「何事も嫌味なぐらいにサラリとこなす、化け物みたいにパーフェクトな敦賀蓮ではなくなるということだよ」
「……それ、褒めてないですよね」
「いや、マネージャーとしては嬉しい限りだよ?一流の俳優をサポートできるんだからね」
社は飄々とした体で話を続ける。
「だけどさ、俺一個人としてはキョーコちゃんの返事が気になって、いつも通りのポーカーフェイスが微妙に保てないお前が好きだったりするんだけどな」
情緒不安定の理由をあっさりと告げる社に、蓮は今更取り繕う事もできずにふぅと苦笑いをする。
「……俺、社さんに好きだと言われても、その気持ちに応える事ができないんですが」
「当たり前だ。俺に応える暇があったら、キョーコちゃんにきちんと想いを伝える努力をしろよ」
「言われるまでもありません」
言い切る蓮に社はふっと口角を上げ、じゃあ飯にするかとロケ弁の蓋を開ける。
「決戦の前なんだからな、きちんと食べろよ。胸がいっぱいで食べれません…な~んて乙女な理由は受け付けないからな」
いつも人の恋愛事に乙女全開なのは社さんの方でしょう、などと言う突っ込みは喉の奥に飲み込んで、蓮は「わかりました」と素直に応えると、テーブルに置いた有体の弁当に箸をつけた。
蓮の心情を書いたら絶対長くなる!
……と思っていたら、予想通りになってしまいました。
どうしようかと迷い、結局大半をばっさりと切って違うエピソードを入れて……という作業をする事に。おかげで今回はボツ話が二つ。
使うところだけ選り抜いて、文章の配置を変えて……とパズルを完成させるようなやり方で話作りをしたのですが、残った二つの話も単体で読めるものとなっていますので、おまけとして続きにUPします。
1は蓮が車の中でつらつらと心情を語った話で、これは蓮の自分語りが長く、エイプリルシリーズの雰囲気と異なるためボツに。
2は4月2日の昼時の話で、単に入れる必要性がなかったために削除となりました。
どの辺を再利用したのか、比べてみるのも一興かと(笑)
内容としては決して本筋から外れるものではなく、本編では割愛したものの実はこんな背景があったんですよ的な話です。
あ、それからこの2編については最終的な推敲作業はしていませんので、誤字脱字読み辛さなどあってもスルーでお願いします~っ。
……と思っていたら、予想通りになってしまいました。
どうしようかと迷い、結局大半をばっさりと切って違うエピソードを入れて……という作業をする事に。おかげで今回はボツ話が二つ。
使うところだけ選り抜いて、文章の配置を変えて……とパズルを完成させるようなやり方で話作りをしたのですが、残った二つの話も単体で読めるものとなっていますので、おまけとして続きにUPします。
1は蓮が車の中でつらつらと心情を語った話で、これは蓮の自分語りが長く、エイプリルシリーズの雰囲気と異なるためボツに。
2は4月2日の昼時の話で、単に入れる必要性がなかったために削除となりました。
どの辺を再利用したのか、比べてみるのも一興かと(笑)
内容としては決して本筋から外れるものではなく、本編では割愛したものの実はこんな背景があったんですよ的な話です。
あ、それからこの2編については最終的な推敲作業はしていませんので、誤字脱字読み辛さなどあってもスルーでお願いします~っ。
1.心情編
まさか、ここまで思い知らされるとはね。
蓮は家へと向かう車の中で、一人皮肉な笑みを浮かべた。思い起こされるのは昨日の出来事。彼の心を揺らす唯一の少女……その親友の一言が皮切りだった。
琴南奏江と蓮とは、それまで会話どころか挨拶すらまともに交わしたことがなかった。接点があるとするなら、それは二人にとってかけがえのない存在が同じ少女だと言うことだけ。
蓮は琴南奏江と直接面識がなくても、キョーコから彼女の話は何度となく聞いていたし、それは奏江にしても同様だったのだろう。
初めて顔を会わせたのはクリスマスの感謝パーティであり、その時でさえ互いに見えていたのはキョーコだけだった。キョーコを巡って贈り物対決……それは蓮が特に意図したものではなく、奏江の親友に対する拘りを示す一方的なものであったのだが。
もしかしたらその頃から気づかれていたのかもしれないな、と蓮はふっと口角を上げる。
少なくとも昨日の時点で彼女は俺の気持ちを知っていた。だからこそ伝えにきたのだ……最上さんを止めろと。
自分を捨てた男に嘘とは言え告白をする。
その行為が後で冷静になった時に最上さんを傷つけはしないかと杞憂して。ついでに俺の本心を確かめて、果ては俺の不条理な嫉妬を被らないようにと最上さんの身の安全まで計算していたのかもしれない。
実際は不破に出会うこともなく最悪の事態は免れたのだが、もしそれが本当に実行されて後からその事実を知る事になったなら、俺は……自分が何をしでかすか分からない。その可能性があると知らされた時でさえ、血が逆流するかのような激情を覚えたのだから。
蓮のハンドルを持つ手に力が入る。車窓を流れる見慣れた街並みは、帰宅まであと30分はかかることを伝えていてた。その時間が今の蓮には有難いと思う。
キョーコが蓮を恋愛対象として見ていない事など、彼は嫌と言うほど理解していた。深い敬愛の情と、大きすぎる尊敬の念。それ以上でも以下でもない、キョーコの蓮に対する想い。
知っているからこそ、蓮はいつも過剰に期待することを諦めていたのだ。
だが、それにしても……と蓮は苛立つ気持ちそのままに、眉を顰める。
告白をする相手として宿敵である不破や、年下の飛鷹でさえ候補として挙がったのに。
『命知らずな事をしてよく無事で……っ』
『笑顔で脅されたりしなかった?』
『大魔王も夜の帝王も光臨しなかった?』
蓮に告白したと言う親友に対し、キョーコはその身の心配ばかりをしていた。
嫉妬して欲しい……などとは流石に蓮も思ってはいなかった。
しかしキョーコにとって自分が真っ先に除外すべき対象であったという事実は、蓮を充分過ぎるほどに打ちのめした。
嘘でも冗談でも……本気でも……俺に告白をしようなどとは思いもしなかったのか、と悟った瞬間、蓮の中で何かが切れた。
キョーコの手を取り、伝えた言葉は誤解される必要もないほどストレートな言葉だった。彼にとって彼女が「女性」である事を知らせるために、恋愛に関連する事には全て自分を直結して考えてもらえるように。
YESかNOか。どちらに転んでも彼女を捕まえられるように、わざと答えを次の日に持ち越させて。
ちらりとも自分を思い起こしてはくれなかった憎らしくも愛しい少女に、自分で頭の中をいっぱいにして欲しくて、自分の事だけを考えて欲しくて。
……そんな子供じみた欲求を、止める気すらなかった。
紳士で優しい「敦賀蓮」なら、そんな風に相手を追い詰めるようなやり方はしないだろう。告白するにしてももっとスマートに、彼女が理想とするようなシチュエーションを考えて愛の言葉を紡ぐに違いない。
だが……そんな仮定をしたところで意味はない。
キョーコの前では日本に来てからの数年間で作り上げた「敦賀蓮」像など、最初から崩壊していたのだから。
2.昼食編
「敦賀くぅん、一緒にお弁当食べましょうよ」
食事を共にと誘う主演女優に、蓮はすぐに返事をする事ができなかった。気乗りはしないものの特に断る理由もなく……次の瞬間には当たり障りなく同意しようとした蓮を社が呼び止める。
「蓮!悪いんだが早めに打ち合わせておきたい事があるんだ。控え室で食事をしながら方向性を決めたいんだが……ああ、もしかして蓮にお誘いいただいてましたか?」
社の後の言葉は、昼食の時まで仕事なの?と不満そうに眉を顰める相手役に向けられたものだ。
「すみません、次は必ずご一緒しますので」
蓮に済まなそうに小首を傾げて微笑みかけられては、少しでも蓮に近づきたいと狙っている女優としては不満を隠して「いいのよ」と答えるしかなかった。
「社さん……?」
控え室のドアを閉めると同時に、蓮が低い声で彼のマネージャーの名を呼ぶ。
昼食をしながら相談しなければならないような緊急を要する仕事など、蓮には覚えがなく、唯一心当たりがあるとするならば、それは仕事などではなく限りなくプライベートな事由だった。
自分で遊ぶつもりで控え室に来させたのなら、さっさと部屋を出てしまおうと、蓮は剣呑な眼差しで社を見た。そんな蓮の様子に気付かないのか、社はロケ弁を二つテーブルに置くとソファーに深く腰掛けた。
「……あのな、蓮」
「はい」
「お前も人の子だったんだなぁ……」
「はぁっ?」
突拍子もない言葉に、蓮は構えていた力がスコンと抜ける。
「いきなり何を言い出すんですか」
「いや、お前でも緊張する事があるんだなと思ってさ」
「緊張ですか?今回のドラマは何度か収録をしていて既に慣れた現場ですし、特に変わった事はなかったと思いますが」
「うん、仕事の時にはうまく抑えてるとは思うよ。さすがプロだと言いたいけどな」
でも俺だって伊達にお前のマネージャーをやってきたわけではないんだぞ、と社がキンと蓮を睨みつけた。
「お前の周囲の空気がピリついている。苛ついていると言うよりは、敏感になっていると言った方が正しいんだろうな」
「え…っ…」
「勿論、他の人は全く気づいていないだろうけどね。ただ、お前としては楽しくお食事と言う気分でもないだろうと思って、俺の独断で断るように仕向けたんだが……必要なかったか?」
「……いえ…助かりました。ありがとうございます」
社の言葉に、蓮は素直に頭を下げた。
本音を言うならば仕事中はともかく、休憩時間にまで下心丸見えでしなだれかかる女優の相手をするのは少しばかり負担だった。
今、彼の頭を占めるのはただ一人の少女の事。
同じ女性でありながら、こうも違うものかと比べて嫌悪を抱く可能性は高かった。いや、比べるという事すら彼女への冒涜とも言える。
それだけ彼にとって神聖であり、大切な存在を手に入れられるかどうか、全てが今日にかかっているのだ。普段は気にもせず軽く流すことさえ、知らず知らずの内に反応していたのだろう。
「本当にお前はキョーコちゃんが絡むと人間らしくなるなぁ」
「人間らしくって、どういう意味ですか」
「何事も嫌味なぐらいにサラリとこなす、化け物みたいにパーフェクトな敦賀蓮ではなくなるということだよ」
「……それ、褒めてないですよね」
「いや、マネージャーとしては嬉しい限りだよ?一流の俳優をサポートできるんだからね」
社は飄々とした体で話を続ける。
「だけどさ、俺一個人としてはキョーコちゃんの返事が気になって、いつも通りのポーカーフェイスが微妙に保てないお前が好きだったりするんだけどな」
情緒不安定の理由をあっさりと告げる社に、蓮は今更取り繕う事もできずにふぅと苦笑いをする。
「……俺、社さんに好きだと言われても、その気持ちに応える事ができないんですが」
「当たり前だ。俺に応える暇があったら、キョーコちゃんにきちんと想いを伝える努力をしろよ」
「言われるまでもありません」
言い切る蓮に社はふっと口角を上げ、じゃあ飯にするかとロケ弁の蓋を開ける。
「決戦の前なんだからな、きちんと食べろよ。胸がいっぱいで食べれません…な~んて乙女な理由は受け付けないからな」
いつも人の恋愛事に乙女全開なのは社さんの方でしょう、などと言う突っ込みは喉の奥に飲み込んで、蓮は「わかりました」と素直に応えると、テーブルに置いた有体の弁当に箸をつけた。
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